人工関節置換術のすべて
人工関節という言葉が近年、新聞や雑誌などのマスメディアによって取り上げられる事が多くなってきました。そもそも「人工関節置換術」とは何なのでしょうか。「傷んだ関節を、金属や特殊なポリエチレン、セラミックなどの器具に取り換え、関節の動きを取り戻す手術が「人工関節置換術」だ。」
これは2004年に読売新聞に記載された文章から抜粋したものです。よりわかりやすく言えば、関節のいたんでいる部分を取りのぞいて、「人工の関節に置きかえる手術」です。他の治療方法と比べると、関節の痛みの原因となるものをすべて取りのぞくので、「痛みを取る」効果が大きいのが特徴です。
- ・MISのメリット
- ・MISのデメリット
- ・MIS TKAの今後の可能性
- ・MISに対する私見
- ・松田芳和のプロフィール
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人工股関節置換術の種類
人工股関節置換術は、傷んでしまった股関節を人工物で作られた股関節に置換(置き換える)手術です。英語ではTotal Hip Arthroplasty(THA)とかTotal Hip Replacement(THR)と表現されます。なお、人工股関節置換術には様々な方法があります。
・アクリルセメントにてステムを固定する方法
・骨セメントを用いないで固定する方法 (ノンセメント)
・ハイブリッド法を用いた固定方法
骨セメントを用いないで固定する方法 (ノンセメント)
セメントを使用して固定する方法に対して、骨セメントを用いずに骨を固定するノンセメントの方法もあります。これはセメントを用いなくてもステムを固定できるようにデザインされています。
実は、骨は金属にも固定することが出来ます。これは骨が滑らかな金属の表面構造に沿って成長していくからです。
そこで、より強固に固定させるために金属の表面に沢山の細かい穴が開けた多孔性のステムを用いています。こうすることにより、多孔性の表面の中で骨が成長していきます。
さらに、人工的に骨の成分として作られているハイドロキシアパタイトというもので表面をコーティングしたステムも、骨を早く固定させる為に利用されています。(写真3A、3B参照)
この骨セメントを用いずに固定する時に使用するステムは、アメリカで1977年に開発されました。
時間の経過と共に、成長していく骨がステムに付着して固定されていくので、しっかりと固定されるまでのある程度の時間がかかります。
なので、骨セメントで固定する方法と比べると、手術後すぐに痛みがなくなるとは限りません。
当然、ステムが固定されるにしたがって痛みは改善されていきますが、しっかりと固定されるまで半年から1年ほどかかることがあります。
なお、この方法は、若年層、運動量の多い方に推奨されています。
アクリルセメントにてステムを固定する方法
イギリスのJohn-Chamleyというドクターが1962年にステム(大腿骨側に挿入する棒状の形をしたもの)にステンレスのボールを使用しました。
変形性股関節症で傷んだ骨頭を摘出し、そこに球状のボール(金属球)を挿入、臼蓋(ソケット)の部分に超高分子ポリエチレンのソケットに置き換えた手術を行いました。
これらの部分が骨セメントというアクリルポリマーで作られたいわゆる接着剤で固定されています。なお、ボールのサイズやステムは個人の体格や大きさによって決められます。
当然、何種類も組み合わせがあり最も適したサイズを用います。
材質ですが、ほとんどのボールはコバルトクロム合金、もしくはセラミックで作られています。(写真2A、2B参照)
傷んでしまった関節部分を人工物に置き換える(置換する)し、しっかりと固定することで早期に痛みから解放され、日常生活動作が改善します。
ただし、問題点もあります。手術後10~15年ほどでさまざまな理由で部品が緩んでしまうことがあります。
また、耐久性の問題もありますので、比較的若い方や運動量の多い方に対しては、骨セメントを用いない方法が一般的であり推奨されています。
人工股関節置換術で使用する材料
現在、一般的に人工股関節置換術において使用されている材料はコバルトクローム合金や超高分子量ポリエチレン、そしてセラミックが主に使用されています。
多くは問題なく機能し、安定した良好な臨床成績が報告されています。しかし、何十年も耐えられるわけではありません。耐久性に問題があるからです。
●耐久性
耐久性は使用する部品(材質・表面状態)や手術技術、固定の程度、運動量、体重、そしてその方の生活スタイルなどにより異なってきます。
しかし、一般的に運動量の多い方(運動量の少ない方と比べて)の耐久性は低くなります。これは多くの研究結果によっても報告されています。
●緩み
人工股関節置換術後に関節部分に「緩み」が生じる事があります。
これは、組織反応によって、微粒子から成るポリエチレンや金属の破片が骨と人工関節の間に緩みを生じさせてしまうからです。
つまり、固定している骨と人工関節の隙間部分にポリエチレンや金属の破片が入り込み、結果として固定部分に緩みを生じさせることがあるのです。
現在、このようなゆるみを防ぐために、耐久性に優れている超高分子ポリエチレンの研究が行われています。
ハイブリッド法を用いた固定方法
このハイブリッド固定法とは、片側のステムには骨セメントを用いないで埋め込み、もう片側には骨セメントを用いて埋め込むという固定方法です。
一般的には骨盤側にはセメントを用いず、大腿骨側のステムに骨セメントを用いることが多いものです。(写真2A)参照
人工股関節置換術の利点
人工股関節置換術によって、痛みの原因となっていた関節は滑らかな動きを取り戻すことができます。
つまり、人工股関節置換術のもっとも大きな利点は「痛みからの解放」と言えるでしょう。
もちろん、それに付随する利点も多くあります。痛みは人にとって非常大きなストレスです。
この痛みから解放されることによって、痛みのない歩行が可能になります。
関節の可動域も大きくなることも期待できます。
その結果、いままで出来なかった趣味を楽しむことも可能になりますし、旅行などにも行けるようになるでしょう。
実際に手術後にスポーツや趣味を楽しむ方も少なくありません。
ただし、無理は禁物です。手術後の経過が良いと、自分が人工股関節置換術を受けたことを忘れてしまう方もいます。
ついつい無理なことをしてしまったり、体重のコントロールをせずにいると、耐久性が落ちたり、脱臼などのリスクを高めてしまいます。可能であれば、万歩計などを使用して日常生活における活動性をチェックすることが望ましいでしょう。
人工股関節置換術におけるリスクと合併症
人工股関節置換術は股関節の痛みを軽減させ、日常生活動作を向上させることが可能な素晴らしい手術です。最近では長期臨床成績も良好で安定している報告が多くされてきています。
しかしながら、どんな手術でも100%の手術はありません。
ここでは、人工股関節置換術におけるリスクと考えられる合併症について説明します。
■脱臼
人工股関節置換術後における合併症として、最も起こりやすい合併症が脱臼です。
正常な状態での股関節では、股関節を支えている周辺の筋肉によって守られているので、普通脱臼することはありません。
しかし、手術のあとで周辺の筋肉が弱っているときには、脱臼が起こりやすくなります。
手術後に脱臼の起こる頻度は0.5~6%程度といわれています。
脱臼の多くは患者さん姿勢を注意することにより防ぐことが可能になります。その際の姿勢は手術方法(切開した場所)により注意点が異なりますので、以下に説明します。
・前方の切開の場合
次のような姿勢は脱臼の危険性を高めますので、十分に注意する必要があります。
○寝ている際に、手術した肢を上に交差させる姿勢。
○手術した足と反対側にあるものを取ろうとして手を伸ばす姿勢。
○低い椅子から急に立ち上がる姿勢。
○足を組む姿勢。
・後ろを切開した場合
股関節を内転・内旋位にしたときに脱臼の危険性が最も高くなります。
しゃがみ込んだ際に膝が内側に入ったりする姿勢は注意していても起こりやすいので十分注意が必要です。
なお、人工股関節置換術後に脱臼を何度も繰り返す場合は、再度手術が必要になる場合もあります。
■深部静脈血栓症・肺塞栓症 (しんぶ じょうみゃく けっせんしょう・はい そくせんしょう)
深部静脈血栓症とは、下肢の静脈に血栓(血の塊)が生じてしまい、血管をふさいでしまうことです。
そのため、血流が悪くなり、下肢がむくんだりふくらはぎが痛んだりします。同様な病態ではエコノミークラス症候群(旅行血栓症)があります。こちらのほうがなじみ深いかもしれません。
これは、飛行機などの乗り物で長時間足を動かさないでいるときにもおこります。
この血栓が急に動いた時などにはがれしまうと非常に危険な状況になることがあります。
はがれた血栓が血流に乗って肺まで到達してしまうと、肺の血管をふさいでしまいます。これを肺塞栓症といいます。
肺の血管がふさがると、血液ガスの交換(二酸化炭素と酸素の交換)がうまくおこなわれなくなります。そのため、呼吸困難や胸の痛みを感じるようになり、時に生命を脅かす重篤な症状を引き起こす可能性があります。
*深部静脈血栓症の予防
人工関節置換術後の深部静脈血栓予防のために、一般的には以下の方法がとられています。
・間歇的空気圧迫装置
手術前後にかけて、一定の時間をおいて下肢の血管を圧迫する装置で、血栓を予防する効果があります。
・薬剤
血栓をできにくくする薬剤で低用量未分画ヘパリンを投与したりします。
・弾性ストッキングの着用
これは非常に弾力性の高いストッキング(靴下)で、下肢の血管を圧迫して、足先から心臓へ戻る血液の流れを助ける効果があります。
・ストレッチ
術後に患者さん自身ができる予防法として、足首の曲げ伸ばし運動があります。これによって、血流を良くする効果が期待できます。
○血栓症のリスクが高まる要因
悪性腫瘍 / 膠原病 / うっ血による心肺機能停止 / 下痢 / 熱 / 肝炎
甲状腺機能不全 / 黄疸 / 栄養不良 / 壊血病 / 肝臓病 / 出血異常
静脈瘤 / 加齢 / 血栓症歴がある方
■細菌感染(化膿)
人工関節置換術をおこなううえで、どうしてもゼロに出来ない合併症が感染です。
多くの報告で感染率は1%程度であり、早期に治療すれば問題なく治癒できます。
しかし、時に感染が深部で起こると治療に難渋してしまい、時にせっかく入れた人工関節を抜きとらなくてはいけなくなってしまいます。
なぜなら、人工関節は生体親和性が高く生体となじみやすく作られています。そのため、細菌が人工関節に膜(バイオフィルム)を作ってしまうことがあります。
また、人工関節には当然血流がありません。そのため、抗生剤を投与しても効かず、細菌が増殖してしまい、感染が治りにくくなってしまうのです。
術後感染すると手術した部位の皮膚が赤くなったり、腫れたり、膿が出たりします。早期に治療すればほぼ治癒しますので、感染が疑われる場合はすぐに治療を開始することが大切です。
なお、感染は人工関節置換術後の早期だけに起こるわけではありません。
術後、ある程度年月を経てからおこるものとがありますので、患部の熱感や腫脹、浸出液など感染を疑うような症状がありましたら、すぐに専門医にかかることをお勧めします。
■人工関節のゆるみ、磨耗(まもう)、破損など
長期にわたり人工関節を使用していると、人工物がゆるんだり、磨耗(磨り減ること)したり、破損する場合があります。
人工関節の固定がわるくなって生じてきます。人工関節が少しずつすり減ると磨耗粉(まもうふん)が生じます。
この磨耗粉が周辺の骨を溶かすしたりする骨融解(こつゆうかい)をおこす原因となる場合もあります。人工関節置換術後にこれらの磨耗や破損が起こっていても全く症状がでない場合もあります。
そのため、人工関節置換術をうけた患者さん痛みなどの問題が特になくても、定期的に受診を続けることが大切です。
■人工材料に対するアレルギー
非常にまれではありますが、人工物の金属などにアレルギー反応を示す方がいます。
以前に金属アレルギーなどの既往があるかたは、そのことを手術前に医師に必ず伝えて頂くのが良いでしょう。
ちなみに、アクセサリーなどに対する金属アレルギーなどがある方でも、人工関節では反応をおこさない場合がほとんどです。これは人工関節で使用されている金属が人体への影響が少ないとされているからです。
■人工股関節置換術特有の合併症
人工股関節置換術の合併症の多くは、人工膝関節置換術の合併症と共通しています。
しかし、人工股関節置換術に特有の合併症があります。脱臼はほとんどが股関節置換術後に起きますが(人工膝関節置換術後にも非常にまれに起こることがあります)。
■坐骨神経・大腿神経障害
人工股関節置換術は、は下肢の知覚や運動をつかさどる神経(坐骨神経、大腿神経など)の近くで手術操作をします。
当然、これらの神経に障害を与えないように十分注意して行いますが、人工股関節置換術後に手術側の下肢、あるいはまれに反対側の下肢にも異常知覚や感覚低下、運動障害などの神経障害徴候が出る場合があります。
多くの場合は一過性ですが、回復までにある程度の時間がかかったり(6ヶ月ほど)、非常に稀ですが、完全に回復しない場合が(約0.25%)あります。
手術後、定期的に診察を行うことは、どんな小さな問題でも、早期に発見する為にはとても
重要ですので、人工関節置換術を受けられた方はかならず定期的に受診されることを勧めます。
人工股関節再置換術
残念ながら、人工股関節置換術後に感染を被ったり、ゆるんだりしたために人工物を取り除き、再度人工股関節置換術を行わなくてはならないケースがあります。
これを人工股関節再置換術といいます。再置換術は複雑な人工補充物を取り除いたり、いたんだ骨も一部取り除く必要があるために、手術としては非常に難しくなります。
特に、骨が大きく欠損してしまったケースでは、骨盤付近や骨バンクから骨を採取し人工物と共に置き換える必要が多くなります。
経験と知識、技術のある専門医による手術を受けられることが必要でしょう。
人工股関節置換術における貯血と輸血
人工股関節置換術では、骨からの出血などのために輸血が必要になってきます。ここでは、輸血に対する説明を行います。
■自己血輸血
自己血輸血は、輸血が必要となる場合に備えて、手術前に自分の血液を準備するものです。
つまり、手術前に自分の血液をとって保存しておき、手術中、後に自分の体に戻す(輸血)することです。
この自己血輸血のもっとも優れた利点は、あくまでも血液は自分のものを使うので、血液が合わない(輸血の副作用)が起こらないことです。さらに、肝炎やAIDSといった感染症の危険性もありません。
ちなみに、手術にどれくらいの血液が必要になるかは、手術の内容や手術前の患者さんの全身状態にもよります。手術前に貧血の強い方には自己血輸血は出来ません。
なお、血液は35日間保存することが可能です。そのため、貯血する血液量を決め、手術日から逆算して行います。
■日本赤十字からの他人の輸血(同種血輸血)
日本赤十字社からの他人の血液を輸血することを同種血輸血と言います。
これは、患者様と同型の血液を選択し、検査を行い「適合」となった血液を輸血するものです。
問診等により健康状態が確認された国内の献血者から採血し、さらに感染症検査を行い「適」となった血液のみが医療へ提供されています。
しかしながら、輸血後の感染症(B型肝炎、C型肝炎、AIDSなど)のリスクが全くないわけではありません。
また、非常に稀ではありますが、他人の血液が入ることで輸血の副作用(蕁麻疹、発熱、血圧低下、溶血性反応)が起こる可能性もあります。
そのため、可能な限り同種血輸血が望ましいのですが、予想外の出血などや、手術前の全身状態が悪く自己血輸血が出来ない場合があります。その際には、この同種血輸血を行います。
■術中回収血輸血
術中回収血輸血とは、手術中に集められた自分の血液(手術により出血した血液)を、特別な機械で洗浄し、手術中、及び手術後に体に戻すことです。
非常に優れた方法ですが、このシステムには限界があり、出血した血液を全て元に戻して使うことができません。(約1/3程度です。)
最小侵襲人工膝関節置換術(MIS TKA)について
人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty: TKA)が臨床に応用されてからすでに50年が経過している。この間、手術手技やデザインなどの改良、向上に伴い、安定して良好な臨床成績が数多く報告されている。
整形外科における手術療法は、可能な限り低侵襲で行うという概念が1990年代後半より導入されてきた。最近では、最小侵襲手術により人工膝関節置換術(MIS TKA)がアメリカで開発され、術後成績が報告されるようになってきた。
日本でも行われてきているが、MIS TKAは未だ発展途上であり、手術手技や臨床的意義などに問題点も残されている。
ここで、最小侵襲人工膝関節置換術(MIS TKA)について、一般論や現在までのトピックス、さらには小生の私見を述べる。
<はじめに>
現在まで行われてきたスタンダードアプローチ(従来の方法)による人工膝関節置換術(TKA)においては、その手術手技、材料、およびデザインなどの改良、発展を経てそのコンセプトはほぼ完成しており、その長期成績も安定して良好な結果が報告されています。
実際にアメリカを世界各国においても人工関節置換術を専門としている殆どの医師が従来のスタンダード法を用いて手術を行っている現状があります。
しかしながら、少しでも患者さんに与える侵襲を少なくし、術後早期の社会復帰を目標とする低侵襲もしくは最小侵襲手術は人工膝関節置換術を専門とする医師としては大きな目標であり課題であると考えます。
また、医療費など現状を考えると包括医療制度や、在院日数短縮化、およびクリニカル・パスの適応などを考慮するとMIS TKAは時代の流れの要素もある。
最小侵襲手術(MIS)の定義
最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery: MIS)の定義
手術侵襲は創傷治癒とかストレス反応と考えられるため、人工膝関節置換術におけるMISもこれらを考慮する必要がある。
手術に関しては皮膚、皮下組織、筋肉、骨、骨髄を扱うので、理想とすると最小侵襲という点では、小さな皮切(皮膚切開)、可能な限り少ない皮下組織の剥離、筋組織への最小切開、最小の骨切除、骨髄の温存と言うことになる。
しかし、実際は人工関節の形状で骨きり量は決まるためにこれを少なくすることは出来ない。ただし、皮膚切開(皮切)に関しては、従来の15~18cm程度から8~10cm程度のMISのほうが、皮下組織の剥離や当然少なくなり、患者さんに与える侵襲はより少なく、美容的にも心理的にも良い影響を与えると考えられる。
その反面、MISは従来のTKAと比較して手術視野が狭いために、手技が難しく時間が掛かることが多い。手術時間が長くなればその分患者さんに与える侵襲は大きくなるため、より高度の技術と知識、経験をもった専門医が行う必要があると考える。
松田芳和の受賞実績
■主な受賞
2001年 立山セミナー セミナー賞受賞
2005年 欧州整形外科学会(EFFORT)にて最優秀演題賞受賞
2006年度 John Insall Traveling Fellowship
アジア・環太平洋代表として選出
↓↓↓↓ http://www.kneesociety.org/index.asp/fuseaction/site.jif
(毎年世界から4名選出:日本人で2人目)
2007年度 日本整形外科学会代表
40歳以下Traveling Fellowship選出
(毎年1名のみ選出)
英語論文
英語論文
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MIS人工膝関節置換術における手術手技上の要点
一部において、MISは皮切の長さによって議論されていることがあるが、実際には皮切の長短ではなく、以下の項目が手術上の要点として考えられています。
1.皮切の短い
2.膝蓋骨を完全に脱転せずに、大腿四等筋に対する侵襲を可及的に少なくする
3.膝蓋上嚢(しつがいじょうのう)に対する最小限の侵襲
4.大腿脛骨関節の脱臼をしないこと
MISのメリット
MIS TKAの利点としては従来法のTKA(Standard TKA)と比べて以下のような利点があげられる。
1.筋肉や腱、靭帯など軟部組織に対する外科的侵襲を出来るだけ少なくする
2.出血量を減少させる
3.早期の機能回復および社会復帰
4.入院期間の減少とそれに伴う医療費の減少
5.小さい手術創や術後の疼痛減少に伴う患者さんの満足度の向上
MISのデメリット
MISにおける問題点としては以下の項目があげられる。
1.手術適応に限界がある。
まず、手術適応であるが従来のスタンダードTKAではほぼ全例に対応できるのに対し、MIS TKAでは適応に限界がある。
たとえば、術前の変形が強い症例(内反膝ではFTA190度以上や外反膝では165度以下)や骨粗鬆の強い症例では禁忌である。なぜなら、狭い術野において無理な力を加えると骨折などの合併症のリスクが高まるからである。
また、再置換術や骨切り術後なども適応とはいえない。高度の肥満や体格の大きい男性などの適応にはなりにくい。
2.手術手技が難しい
手術手技については、ある程度の経験が大切である。専門的になるが、人工膝関節置換術を成功させる最も大切なポイントは正確な骨切りによるアライメントの獲得と、適切な軟部組織バランスの獲得である。
しかしながらMIS TKAにおいてはこれらの大切なポイントを獲得するのが難しいのである。
3.術後長期成績がわからない
MIS TKAがまだ比較的新しい手術方法であり、術後10年~15年といった中期から長期の報告が発表されていない。
したがって、MIS TKAを受けた患者さんの長期予後はわからないのである。
MIS TKAの今後の可能性
MIS TKAにおいては、また意見の一致をみていない術式である。
しかしながら、手術侵襲を最小限にして、術後の疼痛を減少させることで、可動域訓練や歩行訓練などのリハビリの後療法を容易にすることは、患者さんにとって大きなメリットである。
これらは、患者さんの早期の社会復帰や膝機能の獲得が期待できる可能性を持っている。
MIS TKAは現在まで手術器具や手術器具の改良を中心に進められて来た。今後はMISに合わせて使用しやすいデザインの開発や、コンピューターナビゲーションの応用などが期待される。
また、実際の現場として、当センター(湘南鎌倉人工関節センター)において行っている3次元でのテンプレーティングシステムを活用し、手術中に正確なインプラントの設置が出来るように(アライメント不良を起こさないように)行うことが必要であると考えている。
MISに対する私見
人工膝関節置換術(TKA)に対する最小侵襲手術(MIS)は、患者さんにとっては非常に魅力的な素晴らしい可能性を持った手術方法であると考えている。
しかしながら、まだ意見の一致をみておらず改善の余地が残されていることは間違いない。従来のスタンダードTKAとの有用性や安全性との比較検討が必要不可欠である。
その一方で、器具の改良や手術手技の進歩により、近い将来さらなる長期の好成績を獲得する可能性もある。
いずれにしても、MIS TKAは経験の多い熟練した医師によって行うべき手術であると考える。
松田芳和のプロフィール
■HP「人工関節置換術のすべて」管理人
松田芳和
■湘南鎌倉人工関節センター
人工関節部長・研究開発部長
■経歴
1967年生
1994年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
整形外科学教室入局
1995年 富山医科薬科大学麻酔科研修
1996年 軽井沢病院整形外科
以降、大学関連病院勤務
2000年 埼玉県 葦の会 「石井クリニック」
2003年 ドイツ Vulpius Clinic 短期研修
2005年 アメリカ合衆国 Florida Tampa General Hospital留学
2007年 湘南鎌倉人工関節センター 人工関節部長・研究開発部長
葦の会 石井クリニック 非常勤講師
海外(オーストラリア・パース)にて
最小侵襲手術(MIS)人工膝関節置換術の研修を修了
■専門:人工関節置換術 (特に人工膝関節)
■主な受賞
2001年 立山セミナー セミナー賞受賞
2005年度 欧州整形外科学会(EFFORT)にて最優秀演題賞受賞
2006年度 John Insall Traveling Fellowship
アジア・環太平洋代表として選出
↓↓↓↓ http://www.kneesociety.org/index.asp/fuseaction/site.jif
(毎年世界から4名選出:日本人で2人目)
2007年度 日本整形外科学会代表
40歳以下Traveling Fellowship選出
(毎年1名のみ選出)
■資格:日本整形外科学会認定専門医
日本体育協会認定スポーツ専門医
■特技:ヨット競技(1992年 秋田国体出場)、テニス、ジョギングなど
■座右の銘: 自我作古 「我より古(いにしえ)を作(な)す」
<松田の外来受診を希望されるみなさまへ。>
■湘南鎌倉人工関節センター
http://www.skjrc.jp/
外来予約 → 0467-47-2377
■医療法人 葦の会 石井クリニック
http://www.ishii-clinic.gr.jp/
非常勤で外来(毎月2回)を担当しています。
詳しくは事務にお問い合わせ下さい。
048-555-3519